2020年05月31日

イコライザーアンプの雑音測定

IHF-Aアダプタを使ってイコライザーアンプの雑音を測定した。
左右とも0.1mVであった。
つまり、
・0.7mV(フィルタなし、1MHz帯域電圧計)
・0.1mV(IHF-Aフィルタあり)
となりました。

入力換算雑音電圧は
・20log(0.1exp-3÷173)=-124.7(dBV)(IHF-A)

現在使っているカートリッジの出力が3.5mVなのでこの場合のS/N比は
・20log(3.5×173÷0.1)=75.6(dB)(IHF-A)

本アンプはB電圧が100Vと低いため最大出力電圧が小さいという特徴(弱点)があります。さらにゲインが173倍(44.7dB)と高いため一般的な真空管イコライザーアンプと比べると最大許容入力電圧がかなり小さくなります。1kHzの正弦波を本アンプに加えオシロスコープで波形を観測しながら入力電圧を上げていくと70数mV程度で波形が崩れて来ます。最大許容入力は70mV程度です。3.5mVのカートリッジでは問題はありませんが、高出力カートリッジを使うと大音量時にクリップすることがあるかもしれません。

  


Posted by はりー at 17:22Comments(0)フォノイコライザー

2020年05月30日

IHF-Aアダプタ完成

IHF-Aアダプタが完成した。
数日に分けてちょとづつ作ったのだがハンダ付忘れ、てんぷら半田が数カ所ありスイッチONで一発OKではなかった。
基盤の上側から部品同士がちゃんと接続されているかテスターを当ててチェックが必要だ。
回路図中3段目のFETのソース抵抗680Ωを微調整してゲインを100倍にするとあるので±50Ω程度調整ができれば良いかと考えて620Ωの固定抵抗と100ΩのVRにしたが、調整範囲が少なすぎたのでここは1kΩの多回転ポテンショメーターが良かったとちょっと後悔。
ユニバーサル基板に回路図とほぼ同じ部品配置にして作製すると比較的簡単にできた。
ケースには入出力端子にBNCコネクタとRCAジャックを付けて使い勝手が良くなるようにした。



アダプタの入力をショートし、出力の雑音電圧を測ると28μVであった。
ゲインが100倍なので入力換算雑音電圧は20Log(28exp-6÷100)=-131.0(dBV)
となりホームページにある-130dBVとピッタリ合います。

このアダプタを使ってイコライザーアンプの雑音電圧を測定することにした。  


Posted by はりー at 07:35Comments(0)フォノイコライザー

2020年05月16日

イコライザーアンプの雑音

管球式イコライザーアンプの雑音はどのくらいが正常だろうか。
音楽を聴くときのプリアンプのボリュームの位置はLP(イコライザー後)で9時から10時くらいでCD(デジタル音源)の時は若干下回る位置になる。
このときスピーカーに耳をつけても無音状態であるが、ボリュームを最大にするとLP時にはかなりの雑音(ホワイトノイズ)が聞こえる。CDでは無音である。
イコライザーの入力をショートし出力に負荷抵抗として47kΩを接続し、ミリボルトメータ(帯域1MHz、0.3mVフルスケール)の直接接続で電圧を測定すると、0.5mVから1mVの間で針がフラフラと振れるので雑音電圧は真ん中を取って0.7mV程度だろうか。
直接接続で測定すると性能の良いミリボルトメーターを使うほど雑音電圧が大きく測定されることになるので他のアンプと定量的に比較できなくなる。
やはりフィルター(IHF-Aフィルタというやつ)を入れた方がよいのだが、フィルター付きのノイズメーターは持ち合わせていないのでネットで色々探すとフィデリックスのホームページに回路例を見つけた。簡単に作られそうなのでこのアダプタを作成してみることにした。FET、トランジスタは現在でも入手可能で3,000円くらいでできそうだ。


ところでTung-solの12AX7を台湾のayumitubesというサイトから購入しました。ゴールドピンでcryo treatment (クライオ処理済、あやしい、、)というもので2本で送料込み4,983円でした。お買い得です。実際差し替えると聴感的にホワイトノイズが2割くらい減ったように感じます。測定値はほとんど変わりません。(若干小さくなったかな)音が変わったかはよくわかりません。


  


Posted by はりー at 16:39Comments(0)フォノイコライザー

2020年05月06日

イコライザーアンプ測定

RIAA特性を測定した。イコライザーアンプの出力には負荷抵抗として47kΩを接続している。
測定する周波数と対応したRIAA特性、および測定値を入れるとRIAA偏差を表示するシートを表計算ソフトで作成した。
RIAA特性についてはThe Art of Analog Circuits,RIAAの数式を利用しました。
イコライザーアンプは過去の技術であり持ち合わせている文献も少ないのでこのような専門的なサイトはとても価値があると思います。

測定結果からRIAA偏差はほとんどありませんでした。
一例ではありますがシミュレーションソフト再現性は高いといえます。真空管式イコライザーアンプの製作で一般的に行われているイコライザー素子の微調整はシミュレーションソフトを使うと不要になります。




グラフにしてみました。


  


Posted by はりー at 15:40Comments(0)フォノイコライザー